大草心理臨床・教育相談室では、
心の問題であればどんなことでもご相談に応じます。
当たり前のことですが、心の問題は、心だけでできているものです。だから、心が適切に働くようになれば、必ず、治りますし,回復しますし、解決するものです。原理的には、難しい事ではありません。
しかし、心には、心特有の特性あって、それが適切な働きを妨害したりするので、難しくなります。心の特性をよくわきまえた専門家の共働があれば,誰でも適切に対処できます。
どんなことでも自由にお話し下さい。無論言いたくないことは言う必要はありません。むしろ言わない方がいいこともあります。話すのも話さないもの自由な対話していると、それだけで良くなっていきます。
面接の50分間は、心が扱える専門家との特別な体験対話で、通常生活では経験できない、新たな体験の対話になります。そしてその体験から、心の悩みに負けない自然な自分らしい心が創り出せると思います。私たちスタッフがそのお手伝いをいたします。
お~ぷん・ラボの心理療法技法について
- 体験対話法
従来自己暗示三段階法と言っていた対話療法を深化させた治療プログラムです。河野良和氏の意識体験治療論と大野清・成瀬悟作氏の臨床動作法の両方の治療原理に基づいた、当相談室で開発した独自の体験対話療法プログラムです。
思ったら思ったように自分自身に暗示作用するという、河野良和氏の意識体験治療論の『自己暗示』原理と、人間の身体は、心の、意図・努力で自由自在に行動できるという、大野清・成瀬悟作氏の『臨床動作法』の原理の二つを統合した、お~ぷん・ラボ独自の『体験感覚』原理の心理対話療法です。
クライエントがセラピストとの対話を通じて、「『できる感・できている感・できた感』などの体験感覚」を創り、体験感覚が身について、何にでも自然に関われるようになって悩みが解消する方法です。
一般に治りにくいと言われている強迫障害、パニック障害や、うつ病などの多くの方がこの方法でよくなっています。
近年では、よく知られるようになった認知行動療法に似たところのある療法ですが、適応応機制としての体験感覚を扱い、認知・行動に限定していないところが相違点です。
- トランス・イメージ体験法
体験対話療法を、言葉の対話だけでなく、対話に加えて、通常の覚醒意識状態とはちがうトランス変性意識を遣って、出来ないことも、無理なことも、不可能と思えることも、イメージ体験下で、『できるだろう感・できている感・できた感』の体験感覚を獲得することを目指す療法です。
無論、変性意識化の体験感覚は、実際の行動体験とは違いますが、イメージでの体感覚験ができると、体験したように行動しつつ、実際行動体験とイメージ体験の違いは、比較的容易に埋まっていきます。失敗がなく、誤学習することなく、実際の行動する前に、先に『できるだろう感・できている感・できた感』の体験感覚を創る方法です。
スポーツ選手は、イメージトレーニング、メンタルリハーサルをして、「できる体験感覚」を繰り返し心身に浸透するようにしてから、その後で、実際の練習を行います。この方法は、スポーツだけでなく、心の問題解決にも役に立つ画期的な方法です。
- 臨床カウンセリング
カウンセリングは、来談者がカウンセラーと対話することで、誰でもが持っている自力向上力が自然に発揮できるようになる支援をする方法です。日本で主流になっているロジャース流のカウンセリングは、20世紀初頭のアメリカで始まり1950年頃までに完成したものです。
しかし、最近は、人格障害の問題など、従来のカウンセリングの手法だけでは心の問題が解決しないことが多くなっています。当相談室では、従来のものにさらに工夫、深化させたカウンセリング法で行っています。「臨床」という文言を頭につけているのは、カウンセリングの独自性を表しているからです。
一見普通のカウンセリングと変わらないように見えますが、自分の思ったことが自分自身に作用する思いの自己暗示原理と、自分の意図・努力の動作法原理をベースに、対話を体験とする工夫が組み込まれてるところが、ロジャース流カウンセリングを大きく越えているところです。
- 臨床催眠法
通俗的に言われる催眠術に似ていますが、舞台での誇張されたショーを目的とした催眠術とは全く違うものです。催眠というと、あたかも催眠術者の言う通りに操られると思い込んでいる人が多いですが、そういった催眠についてのイメージは,全くの誤解です。催眠現象は,誰にでも生じるもので,それを科学の心理学として扱っているので臨床催眠といっています。
合理科学としての心理治療です。催眠原理や暗示原理は,全ての心理療法のメタ原理に働いているものですが,その部分だけを抽出して行うものです。
催眠状態になると、現実から隔離され解放された気分になり,心身がとてもリラックスしてそれだけで心の自然な姿勢が整い,問題が解決してしまう人もいます。
臨床催眠には,効果がある問題とない問題があるので,適用する時は専門家の判断が大事です。
子どものさまざまな相談
- 体験教育対話法
現代っ子には、『今の自分をさらに好ましい自分にして行きたい』『今の自分の問題を良くしてきたい』という理想目標を目指して生きる思いが育たなくなっています。それが,近代から現代への様変わりと言われているものです。
こういった子ども達に対して、従来の教育方法である『努力して頑張って達成する』実際行動から問題解決を試みようとすると、ほとんどの場合うまく展開しません。
一見マイナスに思える問題意識と,それを土台とした理想目標の,どちらをも大切に思う心の姿勢が整うことで,行動は自ずと改善に向かいます。適応の思いを,治療者との相互の教育対話を通じて形成していくのがこの方法です。言い換えると、対話の中での『思ってみる』体験や『聞いてみる』体験を通じて、自己目標を目指して生きる『体験感覚』が育成される方法です。
- 現実性獲得訓練
不登校が激増し始める1960年頃から、河野良和氏が不登校改善を中心に据えた、現代っ子向けの現実性獲得の基本的な訓練の方法です。
現代っ子は、欠乏生活での問題とは異なり、過充足生活が普通になって、『嫌だけど、チョットやってみる』『やりたいけど、しないで済ます』といった現実体験が、極度に少なくなっています。それに伴って、心理的耐性が弱い、心のひ弱な傾向が顕著になり、それが原因になってさまざまな不適応問題が生じています。さしたることもない小さな環境外圧で、簡単に心が歪んでストレスに晒されることになる不適応問題です。柔軟な現実対処力が育つような教育的関わり方が大切で、それにはコツがあります。
体験教育対話法は、『気持ち・体験感覚』を育てる方法ですが、それに対して、現実性獲得訓練法は、実際に行動する中で『嫌だけとチョットやってみる』『やりたいけど、しないで済ます』といった『行動力・実行力の感覚』を育てる方法です。
現実対応課題を、無理のない範囲で設定し、課題を少しでも実行することで耐性が育ち、現実適応的に行動できるようになるように支援します。
現実性獲得訓練法と体験教育対話法とは、対になるもので、子どもの状態に合わせて二つの方法を相補的に使い分けて、問題の改善を目指します。