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大草正信のコラム
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マイナス思考を大切にすることがプラス思考の秘訣です
 最近はプラス思考が、ネット上でも本屋でも雲霞の如く溢れています。マイナス思考からは何も生まれません、マイナス思考があなたをダメにします、マイナス思考が諸悪の根源です云々、こういったことが声高に言われており、多くの人がそれを当然のことと信じています。プラス思考ができるようになるためには、それぞれに温度差のある物言をしていますが、共通しているのはマイナス思考を忌避していることで、マイナス思考を避けない限り、プラス思考はできないと主張しているかのように思えます。これも多くの人に当然のこととして信じ込まれているようです。
 マイナス思考への敵愾心は、偏見と誤解から生じたものですが、多くの人が、無自覚に誰にでも普通にある内なるマイナス思考を、直視しないようにしよう、認めないよういしよう、蓋をしてしまおうとしています。そして、無理矢理にでもプラス思考をしようと努力することになっています。
 心を自由に遣える健康な人は、このような心の遣い方をしていても、殆ど問題無くできてしまいます。どのようなプラス思考のネット記事や本を読んで参考にしても、それなりにプラス思考ができて効果を出すことができます。
 しかし、心の不健康な多くの人のは、プラス思考をしようとすればするほど、できなくて、できないことをさらに悩んで状態が悪化することが多くなります。お〜ぷん・ラボに相談に訪れる問題を抱えた相談者で、一般に言われているプラス思考を試みて成功した人はいませんし、むしろ状態を悪化させている人ばかりです。また、プラス思考をしようと意識している積もりがなくても、無自覚にそうなっている人も、プラス思考ができなくて苦渋しています。
 その理由は、「努力逆転の法則」に捕まっているからです。努力逆転の法則とは、暗示療法の創始者と言われているエミール・クエが提唱したもので、努力しようとすればするだけ悪化する現象をいいます。
 例えば、相手から陰口を言われて、悔しい口惜しいと思うマイナス思考があると、これも人生の貴重な体験だ、この体験で中傷に強くなれるのだ、とかプラス思考をしようとして、自然に素直に思えるとプラス思考は成功します。心が健康だと、さほど苦労せずにできたりします。
 しかし、心が不健康であると、自然に素直にそうは思えなくて、無理に思おうとすると「でも、言われたくない、許せない、悔しい口惜しい」とマイナス思考が激しくなってしまい、それではイカンと気を取り直してプラス思考をさらに強くしようと頑張ります。頑張ると、それに反発するかのようにマイナス思考もさらに強まって、いつまでも自然に素直にプラス思考ができず、プラス思考とマイナス思考とを際限なく行ったり来たりする、謂わば努力の空回りに陥っていきます。努力しているにもかかわらず、いっこうに報われないのでへとへとになってしまうのです。これが、努力逆転の法則に陥った悪化現象で、心が不健康な人は、このような状態に陥りやすいのです。
 努力逆転現象に陥らないように工夫すると、自然に素直にプラス思考ができるようになって心が健康になります。その工夫やコツは、治療のノウハウの章で詳細に述べますが、うまくプラス思考ができないのは、マイナス思考をないがしろにするので、マイナス思考が造反して努力逆転現象を引き起こすと言ってもいいと思います。マイナス思考を大切に扱い、敵愾しないことが大事なのです。
 自分には〜ができない(マイナス思考)、だから、少しでもできるようにやっていこう(プラス思考)のように、マイナス思考を土台にしてプラス思考する思い方ができると、自然に素直にプラス思考ができるようになります。
[ 2012/09/27 ]
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