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大草正信のコラム
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ネガティブ思いやマイナスの思いが心の不健康の素ではありません
 多くの人が、思い通りにならない、腹が立つ、イライラする、疲弊しストレスがある、どうしていいか分からない、悪いことが起こったらどうしよう、悪いことが起ているのではないか、全く自信がない、信じられない、問題が解決しない、変な考えが湧いてくるなど、そういったネガティブ思いやマイナス思い、納得できない思いを思ってしまうことが、心の不健康だと思い込んでいて全く疑おうとしません。そして、こういったネガティブ思いやマイナス思いは耐えがたいので本能的に、思わなくしよう、消してしまおう、他の思いと入れ替えようとしたりします。しかし、それができなくて困るのです。そして、自力ではできない、ネガティブ思いやマイナス思い、納得できない思いを、消してくれたり、ポジティブな思い、プラスの思い、納得できる思いに変えてくれるのが心理療法だと思っています。しかし、それは誤解で、心理学的に不可能なことなのです。そんなことをしなくても、正当な心理療法を受ければ、心が健康になります。
 私達の日常性をよく考えてみて下さい。どのような人でも、現実社会の中で生きるということは、そうは思い通りにならないものですし、腹が立てば、イライラもするし、疲弊しストレスがあるのは、普通のことです。そんなことで不適応になることなどあり得ません。悪いことが起きたらどうしよう、悪いことが起こってるのではないか、何を信じていいか分からない、といった懸念や懐疑、不信などは、どんなに平穏に安穏と暮らしている人でも、感じる時は感じるものです。苦手なことに立ち向かえない人は、自信がないからとよく言いますが、一般の人だってそんなに自信に満ちあふれて生きている人はそういません。むしろ自信のないことだらけなのに、何んとかかんとかやりくりつけているのが実情だと思います。
 アメリカ流の問題解決志向のセラピーがありますが、これだって、人間は、そんなに問題を解決して生きているとは思えません。問題だらけだし、何一つ解決などしていないのに、何んとか適応的にやれるのが健康さだと思います。ですから、問題解決志向のセラピーは変なセラピーだと思えます。不合理な信念が不適応の元凶で、それを合理的な信念に換えると適応できるようになるという認知行動療法の考え方もありますが、「鰯の頭は有り難い」と一般には不合理に思える、でも自分には合理で大事だと信じている信念を持っていても、そのことで不適応になったという話は聞いたことがありません。むしろ、そんな信念があるからこそ逞しく生きていけるということもあります。ですから、一般常識で考えてみても認知行動療法も奇妙なセラピーだと感じます。
 このように、現実に適応している人を見ると、ネガティブ、マイナス、納得のいかない思いなどがあっても、ほとんど心の健康を壊すことなくやっています。ですから、ネガティブ、マイナス、納得のいかない思いがあることが不適応の元凶だとは思えませんし、それを換えたり取り除いたりする必要があるとも思えません。
 むしろ、ネガティブ、マイナス、納得のいかない思いを、ポジティブ、プラス、納得いく思いに変えようとばかりしている拘りがや囚われが、心の健康な人なら決してしない、心の不健康なあり方だと思えます。
[ 2012/09/27 ]
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