大草心理臨床・教育相談室 おーぷんラボ|大草正信のコラム

鈴木千枝のコラム
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秋の夜長に思い浮かんできました
猛烈に暑い夏がやっと終わりを告げたと思ったら、既に10月。
驚いたのは、今朝、まだ蝉が鳴いていたことです。これでもか〜という風にミーンミンミンと鳴いていたので、思わず笑ってしまいました。

ここ数日、どうも喉の調子が悪く、イガイガしとりました。そして、ついに今日は朝起きると、声が出ない・・・。まいりました。トホホ。
季節の変わり目。体調を崩しやすい頃です。みなさんも、気を付けてくださいね。

さて、喉の痛みと鈍い頭痛を抱えつつ一日を過ごし、夜も更けてきくると、むかしむかしの懐かしいイメージがふと浮かんできました。

私は小学校入学前だったでしょうか。こう見えて(ホームページだから見えないか)虚弱な子ども時代を過ごしていました。
あの日は、夜中に急に激しい頭痛と嘔吐。かかりつけの医院に母が電話をし、急患で診察を受けに行くことになりました。寒い冬。外は北風がひゅ〜ひゅ〜吹いていました。医院まで大人が歩いて20分くらい。何枚も重ね着。毛糸のボンボンつき帽子とマスク(勿論布製)をつけました。
母の背中におんぶされていた約20分の出来事。母の背中は温かくふんわりとしていて、何よりほっと安心でき、気持ちが良かった。母の背中におんぶされていた時、頭痛と吐き気は確かにあるのですが、安心してその温かくふんわりとしたその感じに包まれながら、自分に起こっている全体的な感じをぼんやりと感じていたように思います。
そんなこんなで医院到着。先生が「今、頭痛いのと気持ち悪いのどう?」と訊かれ、そういえばと考えてみると、あ〜ら不思議。頭痛は残っていても、家で感じた激痛ではなく、何とかなりそうな痛さ。気持ち悪さはすっかりいい。先生にそれを告げると、にんまりと先生は笑ったのでした。
検温し、喉の奥を診てもらい、聴診器で検査とおきまりの診察コースが終わると「たぶんね。今、はやりの風邪だと思うよ。お薬だしておくよ。水分取って暖かくして寝るように。あ、そうそう帰りもお母さんにおんぶしてもらって帰りなさいね。それが、ちえちゃんには一番効くお薬みたいだからね。はっはっは。」

私には何が起こっていたのでしょう。

痛みや不快感が生じている時に、苦しくきつい「仕方(思い方)」で痛みや不快感に注意が向いているとますます痛みと不快感は増幅するようです。反対に、同じ痛みや不快感が生じていても、穏やかで安定した「仕方(思い方)」で注意が向いていると、痛みや不快感があっても大丈夫といいますか、多少なりともラクな感じになる。そしてひいては、不快感そのものが解消する場合もあるようです。

私は、母の背中におんぶされることで、「仕方(思い方)」が変化したのだと思います。激しい頭痛と嘔吐が起こっていたまさにその時は、「どうしよう」「嫌だな」「苦しいな」という辛くてきつい「仕方(思い方)」で頭痛と嘔吐を感じていたのが、母の背中では、頭痛と気持ち悪さはあっても、それを安心して穏やかな「仕方(思い方)」でぼんやりと感じていた。そんな風にしていたら、随分具合いが良くなったようです。

カウンセリングでは、「仕方(思い方)」の所をとても大切に扱います。
話したいことを話し、話したくないことは話さないでいい自由な空間で、来られた方が安心して自分の心の問題を見つめることができる時、問題解決は自然と進みやすくなるでしょう。
また、呼吸法や自律訓練法を覚えていただくことで「仕方(思い方)」が次第に整い、日頃の悩み方が変化することで、抱えている悩みの解決が早くなることもあるでしょう。
同じ悩みも、「仕方(思い方)」が整い、上手な悩み方ができると、自分を傷つけ苦しめていた悩みが、人間的成長をもたらすような悩みとなるようです。

秋の夜長。今日は、随分長くなってしまいました。
また、少しずつこのコラムを書いていけるといいなと思っています。
[ 2012/10/05 ]
ある日の風景
勤務先の中学校で、毎年、印象的な窓からの風景があります。
偶然、勤務日と合格発表の日とが毎年重なっていたこともあり、面談の合間に、ふと相談室の窓から外を見ると、受験の結果を知らせに向かう子どもたちの姿が見えます。

友達と一緒に何やら話をしながら、報告場所へ向かう生徒。笑顔一杯、少し足早にその場へと向かう生徒。やや足取りが重く、うつむき加減にその場所へ向かう生徒。戸口の少し前で、ちょっとだけ立ち止まり深呼吸をしてその場所へ入っていく生徒。
ひとりひとりの表情を見ていると、それぞれの思いが何となく、それでいて、ぐ〜っと伝わってきて、その笑顔にも、その涙にも、ひとりひとり、唯一無二の物語があるのだろうなあと思いが巡り、心の中で自然にエールを送っている私がいて、毎年のその風景が、とても印象深く、心に刻まれています。

さて、遥か遠い昔になりますが、ちょうど合格発表が終わり、卒業を迎えるこの時期に、久しぶりに相談室を訪ねてきた生徒がいました。彼女は、私の顔を見ると「もうすぐ卒業なんだ」と、嬉しそうな、寂しそうな、でも、まっすぐと私を見て、どこか決意も感じられるような表情で言ったのでした。それ以上、言葉は続きませんでしたが、私は何かそれで充分というのか、それ以上何も言葉がいらないというのか、そんな気持ちでした。

自分の思いや考えを言葉にして表現することは、とても大切なことです。けれども、時にそれがとても難しく感じられる時があるなぁと思います。皆さんは、どうでしょうか。

カウンセリングは対話を通じて行うので、一般的に、全ての思いをこの場で吐き出さないといけない、言葉にして表現しなければならない、そうしないと問題が解決しないのではないか、という風に捉えられることがあります。

でも、実際は、必ずしも思いの全てを言わなくてはならないという場ではありませんし、全ての思いを吐き出さなくても、心の問題は解決される場合も多くあります。

話したいなぁと思うことを話し、話したくないなあと思うことや、今はまだ言葉にならない思いは無理に言葉にしなくてもいい。そんな風に、無理なく自然で、自由な心の状態が大切にされることが、心の問題を解決していく為の近道となることが多いようです。
[ 2012/03/30 ]
3月11日
東日本大震災。一年前の今日から、一年経った今日まで、震災について語ることがどうしても躊躇され、こうして言葉にしてあらためて表現することは、あの日以来、初めてです。余りにも深い痕跡を残した災害。こうして思いを馳せると、一年が過ぎた今でも心がざわめき、様々な思いが次から次へと自然に湧いてきます。

関東に住む私は、被災地から離れた所にいます。
どうにもならないような運命に直面してきた方々の思いを、どれくらい実感を持って想像できるのだろうと考えると、それは、とても難しいことで、また、容易に「分かっている」と思うのだとすれば、既にその時点から、実際に被災された方の心の世界からは遠く離れていってしまうのであろうと思っています。

でも、日本中の、世界中の、多くの人が、立ち止まり、これまでの日常では感じなかった気持ちを少なからず意識したり、何かを考えたりして、2011年3月11日からの日々を過ごしてきたのではないでしょうか・・・どうでしょう。

いま、私たちにできること

被災地に足を運び、積極的な活動を通じて「私たちにできることを」をしている方もいます。また、直接的な活動ではなくても、震災によって大きく変化した社会生活や自分の気持ちに対して、できる限り「いつも通り」を心がけ、今の自分を生きることで、「私たちにできること」をしている方もいます。形は異なりますが、どちらも、新たな一歩に向けて「いま、私たちにできること」だと思います。

3月11日。
「亡くなった方の冥福を、もし失礼じゃなければちょびっと祈ります」と
私が遠くで達者を祈っている知人は表現していますが、
私も・・・
失礼でなければ、亡くなった方々のご冥福を祈り、今日一日を過ごそうと思います。
[ 2012/03/11 ]
おまじない
三月に入りました。
つい先日、雪が降ったと思ったら、今日は春のように暖かい一日。変わりやすいお天気に、少々(いや、かなりか・・・)身体がついていかないしんどさを感じつつも、この時期を越えると、やがて新しい季節がやってくるのだなという思いも浮かんできます。

何か新しいものに変わろうとする時、その過程に、独特の「揺れ」が伴うことがあるようです。
そして、その「揺れ」は、時に居心地悪いものであったり、苦しさを伴うものであったりします。けれども、その居心地悪さや苦しさの中には、次の新しいものへと変化していく為に、とても大切なものが同時に含まれているようです。

カウンセリングでも、一見、マイナス(ネガティブ)に見える感情、思いを、心の世界から排除してしまうのではなく、プラス(ポジティブ)な思いと等しく大切なものとして扱っていきます。

「どのような思いも、心の中にあっていい。全ての思いは、自分が自分自身を生きていくことにとって大切なものである」という前提となるような思いが心の中に成立してくることは、様々な心の問題を解決していく為に大切な役割りをしていくように思います。

・・・と、このコラムを記述しながら、私も、日々のおまじないのように、上に書いた言葉を思い浮かべてみています。
[ 2012/03/07 ]
はじめまして
 お〜ぷん・ラボのスタッフの鈴木です。

 お〜ぷん・ラボが開設してから今年で11年目となりました。新緑の眩しい5月に、まだリフォームしたての香りが残るこの部屋に足を踏み入れた時の思いを今でもよく覚えています。

 これから、少しずつ、このコラムを更新していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
[ 2012/02/25 ]
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